不動産決済トラブル④実印がありません!不動産会社様、エンドユーザーと司法書士の意識の違いについて

皆さんこんにちは!司法書士の関良太です!

先日あった決済でちょっとしたトラブルがありましたので記事にします。

テーマは不動産会社様、エンドユーザーと司法書士の登記に対する意識の差についてです。

司法書士は守秘義務があるので一部脚色の上記事にします。

先日あった決済では中古の戸建ての決済でした。

不動産会社様が前年に仕入れた不動産をエンドユーザーに売却するという案件でした。

いつもどおり本人確認、意思確認を行い登記関係の書類を整えていたところ、不動産会社様にご用意いただいた印鑑の印影がどうも一致しません

ご用意いただいた印鑑もその認印だけのようでしたので当然売却の委任状に押印する印鑑が不適となります。

その決済では決済時間短縮のため、エンドユーザー様が朝一番でお金を振り込んでしまったようで決済を止めることは事実上不可能でした。

幸いその不動産会社様の本社が決済場所から30分程度のところにありましたので、本社に立ち寄って法人届出印を押印いただきました。

このあたりに不動産会社様と司法書士の間で登記に関する意識が如実に表れたように思われます。

司法書士は所有権の登記名義人が義務者になる場合、つまり売却案件では実印での押印というのは当たり前の知識ですが、不動産会社様にとっては登記に関する細々した運用はどうでもいいことだろうと思われます。軽んじているということではなくわからないので司法書士に頼んでいるという格好です。

また司法書士の感覚としては買主の権利が保全されるかわからないのにも関わらず、送金するというのもリスクに感じますが、多くのエンドユーザーにとっては登記の公示制度の意味するところは分からず、単に名前を変える「名義変更手続き」に過ぎないと思っていると思います。

このあたりを懇切丁寧に説明することが、果たして司法書士に求められる役割であるかはわかりませんが、登記識別情報通知の説明と売買契約書の保管については丁寧に説明しています。理想論を言えば登記制度をきちんと理解していただきたい、というのが本音ではありますが、現実なかなか難しいと思います。

さしあたってエンドユーザーにとって重要なのは登記制度の如何ではないと思います。

決済の場では矢継ぎ早に様々なことを説明されるため、説明のしすぎは返って混乱を招くと思います。時々興味をもって聞いてくださる方がいるため、その際は喜んで説明しております。司法書士に興味をもってくださるだけでありがたいです。

以上、「不動産決済トラブル 実印ありません!不動産会社様、エンドユーザーと司法書士の意識の違いについて」でした。

お読みいただきありがとうございました。

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