【相続放棄で未成年の外国籍の方がいる場合】外国籍の方の相続放棄事件発生の際に住民票で親子関係を証明できなかった事例

数年前ご依頼のあったお客様で相続放棄について勉強になった件があるため記事にします。

司法書士は守秘義務があるため、一部脚色の上記事にします。

被相続人が日本人、相続人がインドネシアの方の案件でした。

被相続人には借金があり、相続財産がマイナスであることは明白な状態でした。

事情が事情なだけに相続放棄はしなければなりません。

しかし依頼主は日本語には不慣れで、当然漢字ども読めず相続放棄の手続きは自分ではできません。

かといって誰かに依頼できるほどお金はない、という八方ふさがりの状態でした。

こういった事情もあり私が相続放棄のお手伝いをすることとなりました。

戸籍の調査の結果、被相続人はインドネシアの配偶者との子供を認知しているようでした。

当然認知された子供も相続人に当たりますが、その子供が未成年者であることからインドネシアの配偶者の方が法定代理人として相続放棄する必要があります。

ところが配偶者、その子供ともにインドネシア国籍であるため日本の戸籍はありません。

代わりとして住民票を裁判所に提出することにしました。

ここでひとつ問題が発生しました。このインドネシアの方とその子供の親子関係の証明に難儀しました。

通常、住民票には世帯主と住居を同じくする人との続柄が記載されます。

すでに世帯主は被相続人からインドネシアの方の配偶者に変更はされていました。

つまり戸籍がない状態でこのインドネシア国籍の配偶者とその子供の親子関係を証明するためには、住民票の記載から子供であることが確認できれば良いわけです。

そのつもりで住民票を取得してみました。

しかし困ったことにその自治体の住民票ではそのインドネシアの国籍の配偶者とその子供の続柄は「同居人」としか記載されていませんでした。

自治体の職員に詳しくお話をうかがったところ日本での手続きの関係で本当は親子関係にあるにも関わらず、日本国内で親子関係を証明する手立てがなかったため、住民票を発行した自治体では「同居人」としか記載できないとのことでした。

当然、単なる「同居人」は法定代理人となることはできません。

非常に困った事態となりました。

結論としては被相続人の戸籍を遡ってみたところ、認知の記載のある子供の名前の下にそのインドネシアの配偶者の方が母親として記載されていたため、一応のところで親子である確認ができ、法定代理人であることが戸籍で確認できました。

その戸籍をもって家庭裁判所に行き、相続放棄の申述を受理してもらえました。

もしこの戸籍で親子関係を証明できない場合や、裁判官が親子関係を証明する公文書として不十分との判断を下した場合、インドネシア本国の書類を用意する必要がある可能性がある点を考えると、なかなか肝が冷える案件でした。

外国人の場合でかつ未成年者がいる場合は、戸籍や住民票が不十分なケースがでてくるため要注意であるというリスクがあることが分かり、私自身良い勉強となりました。

以上、「【相続放棄で未成年の外国籍の方がいる場合】外国籍の方の相続放棄事件発生の際に住民票で親子関係を証明できなかった事例」でした。

お読みいただきありがとうございました。

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