司法書士の前に行政書士を目指すという選択は正しいのか~時間というコストについて~

皆さんこんにちは!司法書士の関良太です。

私は令和3年に司法書士試験に合格いたしました。

私は司法書士合格前に行政書士試験にも合格しておりますが、現在行政書士の方は特に活用しておりません。

ここで司法書士を目指しているがまず行政書士を受けた方がいいのかという疑問を持たれる方がいらっしゃるようなので、私なりの答えを記事にしておこうと思います。

結論としては、司法書士を目指す場合、行政書士をまず受ける必要は全くないというのが結論になります。

理由としては、行政書士を目指す場合には一般的に1年程度の時間がかかりますが、その時間がもったいないから、というのが理由です。

最終的な目標を司法書士としているのであれば、あえて回り道せず最短で最終目標までの勉強をするべきだと思います。

たしかに一般的に行政書士は士業の中では難易度が低めということは言われておりますが、簡単な資格かと言われれば、そうとも言いがたいと思います。

合格しようとするならば、それなりの時間をかけて勉強をする必要があります。

その期間は事実上司法書士の勉強はできていないわけですから、あえて遠回りをする必要はありません。行政書士を受けることが司法書士合格の近道になることはありません。

たしかに司法書士と行政書士は試験科目が一部重なる部分がありますが、実は重なる部分もそう多くありません。

重なる科目としては、憲法、民法、会社法です。

憲法については行政書士試験では6問ですが司法書士試験では3問程度です。

どちらの試験でも勉強が必要であることはいうまでもありませんが、大きなウエイトを占めているとはいいがたいです。

また民法についてはたしかにどちらの試験でも大きなウエイトを占めます。(行政書士択一9問+記述式2問、司法書士択一20問)

しかし、司法書士は実務登用試験の性質上、登記とからめた物権が山場になるのに対し、行政書士では論点の豊富な債権が山場になるなどその性質は異なります。

また会社法についてですが、行政書士試験で効率的に合格する場合には会社法は捨て科目とされます。対して司法書士の場合、商業登記の関係でかなり大きなウエイトを占めます。(商法、会社法9問、商業登記法8問)

何より行政書士試験で一番注力すべき行政法については、司法書士は1問も出題されません。

このように出題科目の違いから行政書士試験を司法書士試験のステップアップととらえるのは正しい姿勢とはいいがたいと思われます。

以上の理由から、司法書士試験合格をゴールとする場合に、行政書士試験を受けるのは得策ではないと思います。これは明確に避けるべき時間的コストです。

以上、「司法書士の前に行政書士を目指すという選択は正しいのか~時間というコストについて~」でした。

お読みいただきありがとうございました。

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