任意後見契約が必要なケースでしたが、説明不足で活用いただけなかったケース

皆さんこんにちは!司法書士の関良太です。

先日ご面談いただいた方で、ご自身のご状況を鑑みるに「任意後見契約」をおすすめしたのですが、内容が良くわからず契約に至らなかった事例がありましたので記事にします。

なお一部脚色を含みます。

横浜市在住の80代男性の方でした。

奥様は既に他界され、推定相続人は1人娘のみといったご状況の方でした。

親族と呼べるものはその娘様おひとりと姪っ子だけでしたが、実の娘とも折り合いが悪くご自身が認知症などになった際に、サポートしてくれる方が事実上いらっしゃらない方でした。

そこで、将来認知症になった時のことを考え、姪っ子さんに事情を説明の上「任意後見契約」を結ぶのはどうでしょうか、とご提案いたしました。

また姪っ子さんのご負担が大きいようであれば、私が任意後見人にたつこともできますとご説明いたしました。

ところが、その80代の男性の方は、ご自身が死後どういったお墓に入りたいかなどのご希望は強く持たれている方でしたが、将来的にご自身が認知症になるかもしれないリスクや、なった場合、法定後見人が必要なことを十分ご理解いただけなかったようで、任意後見契約を結ぶまでには至りませんでした。

人間というものはいずれ自分が死亡するということまでは、想像を巡らせることができますが、今の体調が恒常的に続くと無意識に判断してしまうようで、認知症になった際のリスクを十分考慮できないようです。

任意後見契約も完全な制度とは程遠いですが、意思能力がはっきりしている時点で、ご自身が選んだ後見人についてもらえる制度ですので、姪っ子さんとの関係をきちんと構築できれいればかなり心強いサポートになるはずだと思いご提案したのですが、任意後見契約の締結までとはなりませんでした。

絶対数から考えると、法定後見の方が多いため周りで任意後見をされている実例を知らなかったことも原因として考えられます。

第三者目線から必要とする人にサービスの価値を届けられなかったケースとして、少し残念に思っております。

今後はお客様の潜在的なニーズを含め、多様な選択肢を提示できるように勉強していきます。

以上、「任意後見契約が必要なケースでしたが、説明不足で活用いただけなかったケース」でした。

お読みいただきありがとうございました。

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