交流会などに参加するとよく言われるのが「司法書士って儲かるんでしょう」という言葉です。お世辞で言っているのか、本当にそう思ってなのかわからないのですが、国家資格ということもあり年収1000万円以上をイメージされている方がいらっしゃるようです。
しかし勤務司法書士である限り年収が1000万円に行くことは、大型法人の社員(役員のようなもの)等ではない限り難しいのが現実だと思います。
ネットには司法書士の平均年収などがたくさん掲載されているので、このページでは補助者時代から勤務時代の私の年収について記事にします。
この記事を読むことで司法書士の受験を検討している人が司法書士を目指すべきか考える参考資料になります。
なお独立後の年収についてはまだわからないため後日記事にします。
補助者時代
(都内23区、司法書士1名、アルバイト補助者3、4名)(決済事務所)
補助者の間はアルバイトで時給制でした。
時給は1150円。(2024年現在の東京都の最低賃金は1113円。)
週5日9時から18時まで働き、年間休日数を125日とすると、年収で220万8000円となります。これから社会保障費などを引いた手取りはおおむね180万円くらいになります。貯金などはあまりできません。
遊びにいっている暇もないので実はお金はあまり使わずに済みますが予備校代などを支払う場合は金銭的にも厳しい生活になります。
本気で司法書士を目指すなら専業になって貯金を取り崩しながら生活することになります。
この場合年収は当然ゼロです。
司法書士時代(1年目)
(埼玉、東京2拠点の法人、司法書士15名程度、補助者10名程度)(決済事務所)
1年目年収は319万9651円(特別研修の間は欠勤扱い)
手取り総計274万6840円。
私の場合、月収が試用期間は26万円でその後は28万円でした。
ボーナスはありません。またみなし残業があった影響もあります。
勉強した時間を考えると思ったほどはもらえませんが、これはある意味当然です。
かけた勉強の時間などはお客さんや事務所にとってはどうでもいいことだからです。
司法書士時代(2年目)
(埼玉、東京2拠点の法人、司法書士15名程度、補助者10名程度)(決済事務所)(1年目と同じ事務所)
2年目年収は368万1299円。
手取り総計304万1999円。
2年目は月収が1万円あがり月給29万円となりました。
研修もないため完全にフルタイム出勤です。残業はかならずありました。
こうしてみると世間でイメージするような1000万円という数字にはなりえません。
これは5年、10年と働いていても同じ結論だったように思います。
おそらく司法書士は独立を狙う人が多いため、高給にしてしまうとせっかく教えたのに事務所が投下資金を回収する前に独立してしまうため、給料を上げづらいというのが原因だと思います。半面、給料が安いから独立したいと思う司法書士も多いことにもなります。
資格取得の難易度に比した勤務の給料だけを考えると割がいい資格であるとはいいがたいと思います。
あくまで私の場合のお話ですのでこの例とは異なる事務所もあるかと思いますが検討する一つの参考事例にはなるかと思います。
以上、司法書士の年収はいくらもらえますか?~司法書士業界の給料事情~でした。
司法書士の受験を検討されている方の参考になると幸いです。
お読みいただきありがとうございました。