皆さんこんにちは!司法書士の関良太です!
私が開業した杉並区では、他の自治体同様司法書士による無料相談を定期的に開催しておりまして、無料相談会に参加していましたので記事に致します。
12時から16時までの4時間で、おひとり30分の無料相談でした。
そのほとんどが相続に関するご相談で、それ以外は後見についてのご相談でした。
その中でおひとり気になるご相談者様がいらっしゃいました。
他人と共有状態になっている不動産登記についてのご相談だったようで、相続登記義務化のニュースを聞きつけ、ご自身も何か手続きが必要なのではないのか不安で相談にいらっしゃったようです。
確かに相続登記義務化はスタートしており、ご相談者様の方の中にも登記が必要な方が何名かいらっしゃいましたが、少なくとも3年の猶予はありますし、肝心のそのご相談者様はそもそも相続が発生していないため、相続登記義務化の対象ですらありません。
その旨ご説明してとりあえず緊急で行うべきことではない旨ご納得され、安心してお帰りになりました。
個人的にこの一件は印象的で、新聞やネットなどで相続登記義務化は周知され、ある程度耳にされている方も増えているようですが、なかなか正確には伝わっていないようだと感じさせる一件でした。
一方で先日発生した大規模な登記システムのダウンについては大々的なニュースにはなりえませんでした。
緊急性の度合いからも、3月の末にオンライン申請ができないことの方が、3年間猶予のある相続登記義務化より重要だとは思うのですが、世間の評価はそうでもないようです。
新聞やネットは情報を取得する人の関心を得るために、「義務化」や「罰金」などの分かりやすい言葉を使いがちです。
この分かりやすい言葉のおかげで、相続登記義務化の周知に一役かっているのは間違いない事実ですが、一方でどこまで正確に伝わっているかは疑問が残るところではあります。
1人の司法書士としてできることもそう多くはないかと思いますが、こうした無料相談会などで正確な情報の発信を通じて、ご相談者様のご不安を取り除くのも、重要な役割の一つなのかなと思っております。
非常に勉強になった相談会となりました。
以上、「杉並区主催の相談員に参加してきました。~相続登記義務化の反応~」でした。
お読みいただきありがとうございました。