【初期認知症の際の遺言書について】親が認知症になりかけです。遺言書はつくれますか?

皆さんこんにちは!司法書士の関良太です。

本ページでは、初期認知症の際の遺言書の有効性について記事にします。

Q. 親が認知症になりかけです。遺言書はつくれますか?

A.認知症の程度によってきますが遺言書を作れる可能性があります。

通常遺言書を作成するにあたっては、ご自身の財産状態の把握や遺言の意思がしっかりしていることが大前提となります。

しかしご事情によっては、まだまだ元気だと言って遺言書を遺しておらず認知症の疑いになってしまったケースもあるようです。

疑義を生じさせない法律的に安全な方法は、やはり死亡後に相続人間で遺産分割協議をすることになろうかと思われますが、初期の認知症で遺言者自身の意思によって遺言書が書かれていれば、有効な遺言書を遺すこと自体は可能です。

このあたりは認知症の程度問題によってまいります。初期段階であればかかりつけ医に確認をとっておくといった方法が考えられます。

また、民法は成年被後見人についても遺言を遺すことができる可能性を残しております。

以下、根拠条文です。

(成年被後見人の遺言)

第九百七十三条 成年被後見人が事理を弁識する能力を一時回復した時において遺言をするには、医師二人以上の立会いがなければならない。

 遺言に立ち会った医師は、遺言者が遺言をする時において精神上の障害により事理を弁識する能力を欠く状態になかった旨を遺言書に付記して、これに署名し、印を押さなければならない。ただし、秘密証書による遺言にあっては、その封紙にその旨の記載をし、署名し、印を押さなければならない。

e-Govよりhttps://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=129AC0000000089

民法は初期の認知症であっても、平常の意思能力が回復されたと2人以上の医師の判断があり、その立会があれば、その遺言書は有効であるとしています。

この場合は、立ち会った医師は遺言者に遺言能力があった旨を記載し、医師による署名捺印が必要となります。

このあたりの条文について、遺言者は自己の財産を自由に処分できるはずであるという民法の大前提と、成年被後見人の意思能力には疑義があるため有効な意思表示といえるのか、という2つの対立がある部分で、非常にシビアな判断が求められます。

特に認知症と診断された後の遺言書については、その有効性に疑義が生じる部分です。

このようなケースにおいては、後日の紛争のリスクも考慮の上、あえて遺言書を遺さないという判断をするか、もしどうしても遺言書を遺さなければ、かえって混乱を招く事態となるケースにおいては「公正証書遺言」の方式で、遺言書を遺すことを強くおすすめいたします。

司法書士杉並第一事務所では、公正証書遺言作成のサポートを行っております。

遺言書作成の初回ご相談は無料です。お問い合わせは下記のお電話番号、またはお問い合わせフォーム、各種SNSよりうけたまわっております。

以上、「【初期認知症の際の遺言書について】親が認知症になりかけです。遺言書はつくれますか?」でした。

お読みいただきありがとうございました。

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