皆さんこんにちは、司法書士の関良太です。
令和6年4月より相続登記が義務化されます。
お客様からも相続登記についての相談増えている印象です。
私は日本大学出身で日本史学科であったため、昔の人の手紙などから筆文字の読み方のトレーニングを積んできました。
戸籍の読み方については多くの記事がネットであふれていますので、読み方についてはそちらにお譲りし、このページでは戸籍の文字そのものの読み方のコツについて私の経験からお答えします。
目次
1.昔の筆文字はくずれています!「くずし字」とは?
「くずし字」とは、主たる筆記用具が筆であった時代に書かれていた文字の形態で、中国から漢字が伝わり時代が下るごとに筆で書くのに適した文字の形態に変わっていった結果出来上がった文字です。
(「司法書士関良太」のくずし字イメージ図)
さまざまな形態がありますね。
現代人の感覚からすると縦列のものが同じ漢字だとは思えません。
2.ひらがなも色々あった?「変体仮名」とは
ひらがなが漢字からできているのは一般的によく知られていることですが、現在のひらがなも今の「あいうえお」に統一されるまでは、同じひらがなの音でも表記が異なりました。
明治時代の日本政府が、さまざまな表記でなされるひらがなの表記を統一して、今のひらがなの形になりました。
普段よく見る統一されたひらがな以外のひらがなを「変体仮名」といいます。
身近な例だと、お蕎麦屋さんの暖簾に書かれているのが変体仮名です。
「きそば」と書かれていることが多いです。
その他の例では、現在の「か」は「加」が大本の漢字ですが、江戸時代など当時一般的だったのは「可」からできたひらがなでした。
しかし「の」と表記が似ていたため、統一されたひらがなから漏れてしまったのです。
(変体仮名はこのリンクから検索できます。https://cid.ninjal.ac.jp/kana/list/)
特に女性の名前は変体仮名で書かれているケースが見受けられます。
さてどうしても読めない戸籍の文字はどうやって読んだら良いのでしょうか?
3.どうしても読めないくずし字の調べ方~『くずし字解読辞典』の活用~
どうしても読めない字がある場合はどうすれば良いのでしょう?
戸籍の文字を読むにあたってどうしても読めない文字というのが出てきた場合、以下の本が参考になります。
『くずし字解読辞典』児玉幸多 株式会社東京堂出版
読みたい文字の筆の書き方索引、画数などから調べることができます。
また楷書から索引もできるようになっているので、文字を見てだいたいのあたりを付け楷書の逆索引から確認するといった方法も取れます。
この本一冊で戸籍に使われるような一般的なくずし字は網羅できていると思います。
特に普及版がおすすめです!(著作権の関係で中まではお見せできません。)
4.無料アプリ~「miwo」の活用~
ネットや本を調べてどうしても分からなかった文字については無料アプリの「miwo」が使えます。
調べたい文字を写真で撮って、読取ボタンをタップすると読み取ってくれます。
100%まではなかなか難しいですが、なかなか高い精度で読み取ってくれるため重宝します。
さっそく先ほどの「司法書士関良太」を読み取ってみましょう。
なかなかの精度ではないでしょうか。
AppStoreまたはGooglePlayにて無料でリリースされていますので、ご自身で戸籍を読みたい人は実際の読み取ってみてはいかがでしょうか。
以上、相続登記がしたい!!でも戸籍の筆文字が読めない!どうやって読みますか?でした。
戸籍の文字について調べてもよく分からなかった場合は、司法書士杉並第一事務所にご連絡ください。
お電話番号は下記のとおり、またはお問い合わせフォーム、各種SNSからもご依頼うけたまわっております。
なお冒頭の参考画像は「楚者」で「そば」と読みます。
お読みいただきありがとうございました。