不動産価格あれこれ「不動産の適正価格って?」~様々な不動産価格の出し方概略~

購入売却予定不動産の価格が適正価格であるかどうかは誰しも気になるものです。

売却する場合、信義則に反しない限りであればどんな価格でも良いと言えますし、買主がいくらでも安い金額の指値をするのも自由です。

しかし不動産は世界にひとつのみの資産ですので「適正価格」の算出は実は非常に難しいです。

このページでは、一般的にもちいられる不動産価格の算出方法をご紹介します。

①取引実績に適うものなし?~取引事例比較法~

多数の類似する取引された過去のデータを集め適切なものを探し出し今回の売却の事例に即して補正(「事情補正」、「時点修正」)、価格を算出する手法が取引事例比較法です。

よく用いられるのがマンションの事例で、同じ棟の別の部屋であれば不動産としての性質はきわめて近いため取引事例比較法が適していると言えます。

補正の必要性が高いほど、適正価格との乖離が想定されるため特殊な不動産の適正価格を算出するには不向きな手法と言えます。

②高度な知識が求められます!~原価法~

基本的な考え方は価格を求めたい建物と同じ建物を、現在と同じ土地に立てた場合にいくらになるかを類似する事例から求め、そこから築年数分だけ劣化しているため割り引いて算出するという方法です。

中古物件などの価格を算出する場合に用いられます。

通常木造建築は耐用年数が20年~25年と言われておりますので経過年数を耐用年数で割ると割引率が算出できます。

土地の場合であっても、再調達原価が求められれば造成に要する原価から原価法による価格を算出することができます。

建物を原価法で求めたい場合、そもそも同じ土地に同じ建物を建てた場合の価格を求める必要があることから、ある程度の建築の知識が必要であると言えます。

③不動産投資でよく用いられます!~収益還元法~

収益還元法はその不動産が将来生み出すであろう収益の大きさによって現在の価値を算出する方法です。

もっぱら投資用の不動産価格算出のための方法と言えます。

家賃収入、更新料など不動産から得られる利益を合計し、必要経費などの費用を差し引いた額を求め、現在の価値を算出します。

家賃収入などの発生しない不動産(例えば文化的価値のある建造物)には用いることはできませんが、客観的な数値によって算出することができる方法であると言えます。

どの価格算出法もある種の思想をもとに創られた方法で、その時々に応じて適切な方法を用いることで適正価格の近似値を求めることができます。

以上、一般的に用いられる不動産価格の算出方法の概略でした。

これ以上は不動産鑑定の専門家である不動産鑑定士の専門領域になります。

お読みいただきありがとうございました。

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