【エンディングノートだけでは不十分?】財産を法的に有効に承継させるにはどうすれば良い?【エンディングノートと遺言書の役割の違いについて】

皆さんこんにちは!司法書士の関良太です。

昨今終活という言葉も市民権を得ており、終活セミナーなどではエンディングノートがおすすめされているようです。

しかし、エンディングノートは終活のはじめのとっかかりとしてご自身の最期をどのように迎えたいか考える方法としては良いですが、それだけだと不十分になる可能性があります。

本ページではエンディングノートの役割と遺言書との違いについて記事にします。

エンディングノートとはendingとnoteを合わせた造語で、自身の最期や死後のことについての希望を取りまとめたノートを指します。

生前話しづらかった葬儀の事についても、エンディングノートに記載しておくことで、どのようにお葬式を執行すればよいのかということや、どの関係者まで会葬礼状を送ったらよいかなど、ご遺族が悩みがちな部分についてご自身の希望として遺しておくことができます。

また、ご自身の財産がどこにあるのか、負債はあるのかなどを記載しておくことで、相続人が今後の相続の方針を定めるにあたってスムーズにことを運べる機能もあります。

エンディングノートによっては穴埋め形式になっており、フォーマットに沿って記入していくことで、理想のエンディングを迎えられるようにデザインされているものもあるようです。

ただし、このエンディングノートについては現行の民法では法的拘束力はありません。

エンディングノートに記載される内容の多くは、法律上「事実行為」と呼ばれる行為とされ、遺言書などに記載され法的拘束力を生じさせる「法律行為」とは区別されます。

エンディングノートに希望する葬式の内容を記載したとしても、法律上ご遺族は別の方法でお式をあげることができます。

この他エンディングノートに記載しても、法定拘束力を生じさせない代表例としては、相続分の指定などが挙げられます。

生前長男にはお世話になったが、次男には苦労ばかりだったため、長男にすべて相続させると記載したエンディングノートを記載しても、遺言の要件を満たしていない場合には無効となります。

もちろん相続人の話し合いの中で、亡くなった方の意思を汲んであげたいといった、一定の効果がある可能性があるのも事実ですが、エンディングノートだけでは法律的には何も書かれていないのと同じです。

エンディングノートはご自身の最期をあらためて考えてみる良いきっかけになるだけでなく、相続発生後に相続人がスムーズに相続するためにも有効なツールとなりえますが、一方で法的拘束力はなくご遺族を強制する力はありません。

仮に法的拘束力を生じさせる文書が欲しい場合は、エンディングノートの他にも遺言書を作成されることをおすすめいたします

司法書士杉並第一事務所では、遺言書の作成のサポートをしております。

また葬儀社勤務の経験から葬儀について分からないことをご相談いただくことも可能です。

(遺言書作成、葬儀のご相談のいずれも相談は無料です。)

ご相談のご予約は、下記のお電話番号またはお問い合わせフォーム、各種SNSよりうけたまわっております。

以上、「【エンディングノートだけでは不十分?】財産を法的に有効に承継させるにはどうすれば良い?【エンディングノートと遺言書の役割の違いについて】」でした。

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