皆さんこんにちは!司法書士の関良太です。
本ページでは、遺言書を作成するにあたって何歳から書けるようになるか記事にします。
Q. 遺言は何歳から作れるようになりますか?
A.遺言書は15歳から作れるようになります。
以下、根拠条文です。
(遺言能力)
民法第九百六十一条 十五歳に達した者は、遺言をすることができる。
e-Govよりhttps://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=129AC0000000089
通常、人が単独で確定的に法律行為を行うことができることができる能力(行為能力)は18歳から認められます。(旧民法では20歳から成人とされていましたが、令和4年4月1日施行の新民法により18歳と改められました。)
これは、未成年者は契約内容を十分に理解できていないにもかかわらず、義務の履行の責任を負うことが酷であることから、契約内容を理解し義務の履行が十分できる年齢まで、法律行為を行う能力を制限し場合によっては取り消せるような仕組みにしています。その主たる目的は未成年者を保護することにあります。
これら行為能力に一定の制限がされている人を制限行為能力者と言います。
遺言書を作る場合、遺言の効力は遺言者の死亡を停止条件として、遺言によって財産を受け取る人に財産を承継させる行為ですので、単独の法律行為となります。
一般則に照らせば、成人してから遺言書を作る能力が認められるはずですが、先の民法961条があることで15歳になると遺言能力が認められます。
この条文があることで、成人に満たない遺言者でも、法定代理人の意思とは関係なく、遺言書を作成することができます。
なぜ15歳からなのでしょうか。15歳という年齢で遺言能力が認められるのには、旧民法が関係しているようで15歳で婚姻が認められていた時代の名残のようです。
したがって15歳という年齢自体に明確な合理性があるものではなさそうです。
ただこの条文が改正の俎上に上がりづらい、上がったとしても実際に改正されていない事実から鑑みるに、私個人の見解としては現在では別の意味の合理性があるのではと考えております。
というのも一般的に15歳という年齢は自分の財産について十分理解が追い付いている年齢かと思われます。
また先の制限行為能力者の主たる目的は、制限行為能力者を保護することです。
遺言は死亡しない限り効果が生じないため、死亡後にあえて制限行為能力者を保護する必要性が少ないことから、15歳で遺言書を作れるものとしても問題ない、という解釈の余地があります。(多分に私見を含み学説上の支持を得たものではありません。)
15歳という年齢で死後についての遺言書を遺すことも、そう一般的な事例ではないかと思われますが、民法はあらゆる事例に対応するため、一般の行為能力とは別個に遺言書を作成するためのルールを作りました。
司法書士杉並第一事務所では、遺言書作成のサポートを行っております。
公正証書遺言作成のご相談は無料です。ご相談は下記の無料相談ボタン、お問い合わせフォーム、各種SNSよりうけたまわっております。
以上、「【遺言書作成能力】遺言は何歳から作れるようになりますか?【通常の行為能力とのちがいについて】」でした。
お読みいただきありがとうございました。