皆さんこんにちは!司法書士の関良太です。
先日知り合った行政書士の方より、相続にまつわる興味深いお話をうかがいましたので記事にします。
テーマは旦那と一緒のお墓に入れなくなってしまったケースです。
なお聞いたお話を一部脚色の上、記事に致します。
70代のご夫婦のお話です。長年連れ添った間柄ですが、お子さんがおりませんでした。
ご主人が亡くなったため、葬儀を執行、火葬となりご主人には実家に菩提寺があったため、その菩提寺に納骨となりました。
このご主人には先のとおり、お子さんがおらず直系尊属もすでに他界しているため相続人はご主人の奥さんとご主人のご兄弟です。
ご主人にはある程度資産があったため、遺産分割協議を行ったようでした。
この奥さんとご兄弟とで昔になんらかの禍根があったようで、ご主人のご兄弟とご主人の奥さんは遺産分割協議を皮切りに激しく対立、なんとか遺産分割協議もまとまったようですが、ここでひとつ大きな問題が発生してしまったようです。
というのも、ご主人のご兄弟よりご主人が納骨されているお墓に奥さんのお骨を入れたくないと言われてしまったようでした。
お墓の名義人はご主人のお兄さんですし、その家系からみれば奥さんは赤の他人ですので、無理にお願いすることもかないません。
結局奥さんは泣く泣くご主人がいらっしゃるお墓とは別の永代供養墓に納まることに決めたそうです。
長年連れ添って最後の最後は一緒のお墓に入ることができなくなってしまったという何とも切ない事例です。
相続対策としては遺言書を遺したり、家族信託をしたり、任意後見人をたてたりと、財産に関わるものが多いですが、今回の場合では自分の死後まで見通して一緒に入れるお墓を買っておくなどの対策が必要になり、相続対策も一筋縄ではいかないと思わされる事例でした。
以上、「祭祀承継をめぐる切ない話~旦那と一緒のお墓に入れません~」でした。
お読みいただきありがとうございました。