どうやって調べる?土地の相場の調べ方

土地価格の相場を知る方法

不動産を売却する際や購入する際、その不動産が価格に見合ったものなのかを知るのは地場で不動産業を営んでいる場合でない限り、正確に把握するのはとても難しいです。

今回は土地の売買価格が適正な評価になっているか、確認するいくつかの方法をご紹介致します。

この記事を読むことで土地の相場感覚を身に着け、不動産を購入する時や売却する時損することを未然に防ぐことができます。

土地の価格は大きく分けて5つあります。

①実勢価格

実勢価格とは実際に売買された価格のことを指します。

買主と売主の協議によって決まる価格ですので双方にとって一番重要な価格と言えます。 

しかし不動産は世界で一つしかないものです。

また複数回売買されている場合であっても時間の経過によって価値は増減するので、

一番重要な価格にも関わらず一概に算定できない価格です。

もし購入または売却する際に実勢価格の相場を知りたい場合は、以下のサイトが有効です。

こちらは土地の価格ではなく、戸建てやマンションの相場を調べるときに活用することができます。

 

REINS Market Information(レインズマーケットインフォメーション)

http://www.contract.reins.or.jp

不動産売買をする場合、通常不動産仲介業者に依頼しますがその時に仲介契約(媒介契約)を締結します。

この媒介契約(この場合専属専任媒介契約、専任媒介契約を指す)を締結すると一定の期間内に媒介契約があった旨をREINS(レインズ)とよばれる不動産業者のみが閲覧できる情報サイトに登録する義務が発生します。

このサイトには不動産売買の成約価格がデータとして蓄積されております。

通常であればREINSは不動産業者しかみられませんがREINS Market Informationはだれでも不動産取引の時期と価格を確認する事ができます。

一つとして同じ不動産はないものの購入検討地、売却予定地の近くの不動産で同じくらいの広さの不動産の売買実績を確認することで、実勢価格の相場を確認する事ができます。

例として司法書士杉並第一事務所周辺の不動産の売買実績を確認してみましょう。

 

杉並区西荻北でJR西荻窪駅徒歩5分以内のマンション 成約から3か月以内の検索

ざっくりとではありますが1㎡で100万円前後の相場での取引が確認できました。

土地総合情報システム

https://www.land.mlit.go.jp

国道交通省が運営している不動産取引の情報サイトです。

四半期ごとの不動産取引の実績を検索できるほか、農地や林地など特殊な土地についての取引の確認も行うことができます。

国土交通省が運営しているため信頼性の高いサイトです。

市区町村まで特定することで地図を見ながら確認できるので直感的に操作しやすく購入検討地、売却予定地付近の相場もあわせて確認する事ができます。

例として司法書士杉並第一事務所周辺の不動産の売買実績を確認してみましょう。

 

杉並区西荻北第二四半期の条件で検索。

土地のみの検索結果から平米単価は62万円から87万円と結果がでています。

土地のみの単価ですので先ほどのREINSの検索条件とは異なります。

これら2つのサイトを活用することで、地域ごとの相場を確認する事ができます。

これらのサイトのメリットとしては、実際に取引された価格のデータであるため、購入検討地、売却予定地の実際の価格のイメージがしやすくなるという点があげられます。

デメリットとしては、取引数の少ない地域や用途地の場合、古いデータしかなく参考にしづらいデータしか残っていないケースがあげられます。

②公示価格(地価公示価格)

公示価格(地価公示価格)とは「地価公示法」によって公示される「標準地」の価格を指します。

実勢価格の算定は非常に困難ですので地価公示法によって土地の価格を公示する仕組みになっています。

その公示価格の基準となる土地のことを「基準地」といい、国土交通省が定めた公示区域の中から、土地鑑定委員会が決めます。

標準地は、近隣の類似する土地の指標として扱われます。

不動産鑑定士が標準地の鑑定評価を出し、それを元として不動産鑑定委員会が審査、1㎡あたりの単価を出します。

この単価は官報で公示されるほか、市町村長に書面で提出されます。

公示価格(地価公示価格)は以下のサイトで確認できます。

土地総合情報システム

https://www.land.mlit.go.jp

国道交通省が運営している不動産取引の情報サイトです。

実勢価格での活用のほか公示価格の検索もできます。 

日本地図のページから順次該当の地区のエリアをクリックしていくことでの確認できます。

例として司法書士杉並第一事務所周辺の不動産の公示価格を確認してみましょう。

令和5年1月1日調査実施 西荻北2丁目周辺の相場の結果

実勢価格と公示価格との関係性としては、実勢価格は公示価格を取引の指標とすべき努力義務が課せられているに留まります。

公示価格の前提として特殊な事情がない時に自由な取引ができた場合を想定した価格である正常価格を判定することを目的としております。

公示価格を参考とすることのメリットとしては、不動産鑑定士や不動産鑑定審査会などが算定基準に沿って作成しているため客観性が高く信用できる指標と言えます。 

デメリットとしてはあくまで基準地の単価に過ぎないため、購入検討や売却予定地の特殊性や買主、売主の事情までをも反映した価格とは言えず実勢価格との乖離は常に発生しうる点があげられます。

③路線価(相続税評価額)

路線価とは、国税庁が相続税や贈与税などの課税をするために、道路ごとに国税局長が決定した土地の単価を指します。

1㎡あたりの千円単位で表示されます。

路線価は国税庁が毎年1月1日時点の価格を7月に公表しております。

路線価は以下のサイトで確認できます。

財産評価基準書 路線価図・評価倍率表
https://www.rosenka.nta.go.jp

国税庁が運営しているサイトで日本地図から調べたい地区の路線価を検索することができます。

例として司法書士杉並第一事務所の路線価を確認してみましょう。

千円単位で表示されるので調べたい土地に面している道路が「770」と表示されている場合、

面している土地の路線価は1㎡あたり77万円ということになります。

A、B、Cといった記号は借地権割合を指し、その土地を借りた場合の借りる権利の評価割合を指します。

Bの場合は80%とされているので、借地権者は80%、土地所有者は20%を路線価にかけた評価額が課税根拠額となります

一般的に路線価は地価公示価格の80%程度といわれており1㎡あたり77万円の土地の場合は

77万÷0.8=96万2500(円)程度という計算になります。

路線価は公示価格と異なり、接している道路ごとに評価されるので微妙な評価額の違いも反映されるというメリットがあります。

その他のメリットとしては国税庁が出しいる額であり客観性が高く参考にしやすい評価額になっている点があげられます。 

デメリットとしてはあくまで税金を出すために評価されているにすぎないので実勢価格に適用するため補正をかけるなど調整しない限り、一般的には実勢価格より低い額が出るケースが多いというデメリットがあります。

④固定資産税評価額

固定資産評価額とは固定資産税、都市計画税、登録免許税など不動産関連の税金算出の基礎となる価格です。

3年ごとに更新され、毎年1月1日時点の価格を市区町村が4月に公表します。

固定資産税、都市計画税は1月1日時点の所有者が1年分負担することになっております。 

年の途中で不動産の決済があり所有権が移転するとすでに買主が所有者であるにも関わらず

売主が決済日以降の固定資産税、都市計画税を負担することになってしまいます。

 

したがって不動産の決済日(所有権が移転する日)以降は、買主が実質的に固定資産税、都市計画税を負担するよう調整するため日割りの額を算出して決済の日に清算するのが一般的です。

 

司法書士にとっては登録免許税の根拠になる価格であるため、登記に関連する重要な価格であるといえます。

固定資産評価額は地価公示価格の70%と言われるのが一般的です。

固定資産評価額は他の価格と異なり、ネットなどで調べることが難しい価格です。

一般的には所有者からの委任状をもらって、市区町村役場(東京の場合都税事務所)で300円程度支払うことで、確認することができます。

固定資産評価額は地価公示価格の70%程度といわれております。

実勢価格との乖離やネットなどで調べるのが難しいことから、

土地の相場を調べるには不向きな価格であると言えます。

なお、千葉地方法務局管轄の不動産の場合には各管轄の法務局に備え付けの台帳があり法務局の職員に確認して評価額を調べることができるようです。

⑤基準地価

基準地価とは都道府県が国土利用計画法にもとづいて定める地価です。

毎年7月1日時点の価格を9月に公表する価格です。

公示価格との違いは公示価格が評価の主体が国であるのに対し、

基準地価は都道府県が主体となって評価しています。

基準日から2か月程度で公表される価格であるため新しい情報を確認することができます

公示価格がない地域でも基準地価ならある場合が多いため、公示区域外の地価を確認できるなど、かゆいところに手が届く制度設計になっております。

基準地価は以下のサイトで確認できます。

土地総合情報システム

https://www.land.mlit.go.jp

位置づけとしては公示価格を補完する役割を担っているといえます。

検索方法は公示方法とほとんど同じです。

以上が土地の相場を知りたい時、参考になる5つの価格です。

 

これらの価格を参照することで、適切な購入代金・売却価格のイメージをつかむことができます。

これらの評価額から著しく乖離する土地が売りに出された場合、大きなチャンスである可能性がある一方で、土地に決定的な瑕疵(問題点)がある場合もあります。

また自分の土地を売却する時所有しているものかわいさについ高値で売りに出しがちですが買い手がつかない限りは無為な時間を過ごすことになります。

自分の売り出し価格が適正かどうか、以上のサイトから参考にすると良いでしょう。

司法書士杉並第一事務所では不動産登記を得意とする司法書士事務所です。

不動産を購入するときにご相談いただければ購入する不動産の法律的なリスクについてご案内することができます。

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