登記識別情報通知、権利証の目隠しを開封してしまいました。開けてしまったらどうなる?

皆さんこんにちは!司法書士の関良太です。

本ページでは、登記識別情報通知いわゆる権利証の目隠し開封してしまった場合にどうなるか記事にします。

Q.登記識別情報通知の目隠しを開けてしまいました。権利はどうなりますか?

A.目隠しを外してもお客様の権利には全く影響ありません。

お客様が不動産を取得した際に発行された「登記識別情報通知」ですが、目隠しをはずすと英数字の組み合わせのパスワードが記載されています。

厳密な説明では、「登記識別情報通知」そのものが権利証ということではなく、目隠しの下のパスワードの情報を知っていることが権利者の証です。

建前では目隠しを外して各不動産のパスワードを正確に把握しておき、登記の申請の際にそのパスワードを用いるということになっています。

目隠しを開封したからといって、お客様が権利者であることには変わりありませんので、その点はご安心ください。

ただし、このパスワードが露出している状態は権利の保全上は良い状態とは言えません。

銀行のカードが手元にあっても、パスワードを他人に伝えることがないことと状況としては同じです。

では登記識別情報通知の目隠しを開けてしまった場合どうすれば良いのでしょうか。

方法としては3つあります

①金庫などご自身しか見られないような場所に保管する

②きれいに剥がせるシールを貼る

③登記識別情報の失効の申出をする

①金庫などご自身しか見られないような場所に保管する

一番簡単な方法が、金庫などに保管する方法です。誰にもパスワードの見られなければ権利の保全上は問題ありません。

しかしこの場合は、実印や印鑑カードなどと一緒に保管しないことをおすすめします。

登記識別情報、実印、印鑑証明がそろうと第三者に勝手に権利を移転した旨の登記を入れられてしまうおそれがあるためです。

②きれいに剥がせるシールを貼る

この場合、条件としては2つあり、ご自身で開封しており他にパスワードを見られた可能性がない場合でかつ剥がそうと思えばいつでも綺麗にシールが剥がせる必要があります。

すでに誰かにパスワードを見られた状態で、シールをしても意味がありませんので、こちらが前提条件となります。

また、シールについてですが後日綺麗に剥がせさえすればどのようなものでも良いといえますが、専用のものを使用した方が後日綺麗に剥がせるほか、サイズもちょうど良いです。

弊所ではこちらの司法書士サプライセンター様にて提供されているシールを使用しております。司法書士用に作られているため、1セット購入してしまうと余分なシールが出てきてしまうという問題はあります。文具店などに行って事情を説明したうえで選んでもらうという方法もあります。

③登記識別情報の失効の申出をする

登記識別情報の失効申出の方法は自分のあずかり知らぬところで登記識別情報通知の目隠しが開封されていた場合などに用いる手段です。

この申出をすることで、通知された登記識別情報は使うことができなくなります。

不動産の所有者の名義変更は「登記識別情報」の他「実印」「印鑑証明書」が必要であるため、それらの所在も併せて確認されることをおすすめします。

この他同時に不正登記防止申出と印鑑登録の廃止手続きを行うとより安全です。

登記識別情報の失効申出、不正登記防止申出は法務局に申出を行う必要があります。

こういったパターンはそう多くはないものの、資産価値の高い不動産についてはリスクヘッジが必要になります。

また第三者ではなく親族が勝手に持ち出す場合もあるため、登記識別情報通知の所在については、親族であっても不用意に教えることはおすすめできません。

以上、「登記識別情報通知、権利証の目隠しを開封してしまいました。開けてしまったらどうなる?」でした。

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