住宅用家屋証明の処分に関する確認資料は比較的融通が利くということについて

皆さんこんにちは!司法書士の関良太です。

住宅用家屋証明は不動産登記実務を行うにあたって必須の知識ですが、ローカルルールや担当者によって取り扱いが微妙に異なるようですので、私の事例を共有として記事にします。

住宅用家屋証明を取得するにあたって、入居前の住所で登記をする場合は、現在家屋の処分したことを証する書面の提供が求められます。

例えば現在住んでいる家屋を所有しており、売却する場合であれば媒介契約書や売買契約書など、借りている場合であれば所有者ではないことの確認として賃貸借契約書などのコピーを求められます。

ここで求められる処分したことを確認できる一連の資料は、あくまで消極証明にしかなっておりません。

住宅用家屋証明の基本的な考え方は、新しく入居する家がいわゆるマイホームだから登録免許税などを安くしましょうということですので、現在住んでいる家屋を売却したからといって、今回購入した物件に住むことの証明にはなっておりません。

基本的に、居住する家は1つしかないはずなので、現在持っている不動産を売却するということは、また別の不動産を取得するだろう、という推定が働いているに過ぎません。

購入した不動産に入居しているという積極証明にはなっていないのが現実です。

こういった背景もあってか、現在家屋の処分を確認できる書類については、比較的融通が利くようです。

先日あった事例では、もともと法人代表者が個人名義で借りていた不動産の賃貸借の期間が満了し、そのタイミングでオーナーチェンジが行われそれと同時に法人が借りて、その法人代表者が社宅として借りているというケースにあたりました。

また提供できる資料が、もともと法人の代表者が個人名義で借りていた古い賃貸借契約書と、オーナーチェンジ後の賃貸借期間延長の覚書、社宅証明といった具合であり、借りていた期間の継続性は確認できない資料しかありませんでした。

結局自治体職員と交渉の結果、借りている不動産に間違いがなさそうだという推測の元、住宅用家屋証明を発行してもらえることとなりました。

司法書士にとっては、住宅用家屋証明がきちんと発行してもらえるかは、お客さんにお出しする見積の関係で非常に重要なポイントです。この点を間違えると、司法書士が費用を負担するかお客さんのお見積りが大幅に変わるという事態になります。

また自治体職員としても、こうした事情を察してか上申書を添付するのであればよしとするなど、比較的温情的に対応してもらえる部分のようです。

今後も住宅用家屋証明をめぐってはイレギュラーが発生する可能性が高いですが、事前照会も必要ですが、自治体職員が納得できるかどうかという観点も備える必要がありそうです。

以上、「住宅用家屋証明の処分に関する確認資料は比較的融通が利くということについて」でした。

お読みいただきありがとうございました。

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