~抵当権抹消登記手続きは自分でできますか?~
皆さんこんにちは!司法書士の関良太です!
住宅ローンを完済された方おめでとうございます!
これからは銀行に支払うお金はなくなるのでかなり生活に余裕ができるのではないでしょうか。
ところが住宅ローンを完済しても、抵当権の登記は自動では消えません。銀行も消してくれません。
抵当権の登記を残したままですと、今後売却する際や相続した際などにお手続きが複雑になる可能性があります。
このページでは住宅ローン完済後の登記手続きについて、ご自身で行えるケースか確認することができます。
住宅ローン完済後の登記手続きをご自身でするのが難しいケース
銀行の名前や住所が登記上の住所から変わっている場合は要注意です。
住宅ローンは長期間の借り入れであるため、銀行の名前や住所が変わっている場合があります。この場合に考えられるケースとしては2種類あり、1.単に銀行の名前や住所が変わっているだけである場合と、2.銀行の法人格自体が異なる場合があります。
Ⅰ.単に銀行の名前や住所が変わっているだけである場合
銀行の名前や住所が変わっている場合は、登記上の銀行の名前と住所が変わっており現在まで法人格が連続していることが確認できる「変更証明情報」(具体的には登記簿謄本など)を添付した上で抵当権抹消登記を行う必要があります。
流れとしては以下のとおりになります
①抵当権抹消登記をすべき不動産の登記情報または登記簿謄本および抵当権者である会社の登記情報を取得する
②銀行から送られてきた資料から不動産の登記上の銀行の名前、本店の記載が現在の銀行の名前や住所と同じであるか確認する
③単なる銀行の名前や住所が変わったに過ぎないケースなのか、法人格自体が変わっているのか確認する
→会社の名前や住所が変わっているに過ぎない場合は、取得した登記情報または登記簿謄本の上の「商号」「本店」の部分から変更があるか確認できます。
古い会社の名前や住所の記載があり、下線が引かれている場合、下線の引かれている部分は抹消されたという意味ですので、単に銀行の名前や本店の記載が変わったに過ぎません。先の案内のとおり、「変更証明書」(具体的には登記簿謄本)を添付して、抵当権抹抹消登記を申請することができます。
※なお注意点としては登記上の記載が「〇〇信用保証株式会社」となっている場合は、融資してもらった銀行とは別の会社であるため、単に会社の名前が変わったケースではありません。抵当権設定当時から別法人ということになります。
Ⅱ.銀行の法人格自体が変わっている場合
銀行の法人格自体が変わっている場合は、まずは司法書士に依頼することをおすすめします。
理由としては、正確な登記情報・登記簿謄本の読み取り、銀行からの委任状に物件の表示を記載するなど慣れていないと難しい作業があるためです。
銀行の法人格自体の変更がされているかの確認方法は、登記上の銀行に「合併」などが発生しているかどうかがポイントです。
抵当権の設定日付より後に「~~銀行に合併し解散」となっている場合は、銀行の法人格が変わっているため、「抵当権抹消登記」の前提として「抵当権移転登記」が必要となります。
「~~銀行を合併」となっている場合、銀行の法人格は変わっていないため前提となる「抵当権移転登記」は不要となります。
流れとしては以下のとおりとなります。
①抵当権抹消登記をすべき不動産の登記情報または登記簿謄本を取得するおよび抵当権者である会社の登記情報を取得する
②銀行から送られてきた資料から不動産の登記上の銀行の名前、本店の記載が現在の銀行の名前や住所と同じであるか確認する
③単なる銀行の名前や住所が変わったに過ぎないケースなのか、法人格自体が変わっているのか確認する
④登記情報・登記簿謄本の後ろの方に会社の合併などの履歴が記載されています
→合併などを経て現在の法人格の連続性が確認できたら「抵当権移転登記」を行った後に「抵当権抹消登記」を行います。
以上がおおまかな流れです。
※なお合併が生じているからといって必ず「抵当権移転登記」を行わなければならないかというとそうではなく、完済した日によっては「抵当権移転登記」を行わなくても良いケースもあります。これを正確に理解するには、会社法、商業登記法、民法、不動産登記法の知識が必要になります。
ご自身で登記することを検討されている方もいらっしゃるかと思いますが、抵当権抹消登記は司法書士の手続き費用のなかでもわりに少ない部類に属します。
単純な抵当権抹消登記であれば2万円程度で十分おつりがでるくらいの予算感です。
抵当権移転登記を司法書士に頼まない際には平日の決まった時間内に法務局に行き、相談をして、本を購入、税金を計算、申請書を書く、収入印紙を購入するなどの手間がなくなることを考えると結果として司法書士に頼んだ方が良いケースがほとんどだと思われます。
司法書士杉並第一事務所では抵当権抹消登記のご依頼を受任しております。
ご依頼は下記のお電話番号、お問い合わせフォーム、各種SNSからもうけたまわっております。
以上、「住宅ローンを完済したら銀行から書類が届きました~抵当権抹消登記手続きは自分でできますか?~」でした。