分筆して宅地から畑への地目変更!?驚いた不動産登記簿の一件

皆さんこんにちは!司法書士の関良太です!

先日見た登記簿でおどろいた一件がありましたので、共有のため記事にします。

以下の登記情報は驚くことに分筆しただけで地目が「宅地」から「畑」になっています。

(856番13の登記簿)

(856番43の登記簿)

少々わかりづらいですが、もともと「宅地」であった856番13の土地が分筆して856番13と856番43に分かれています。

その過程で856番43の土地が「畑」として登記されているようなのです。

通常畑などの農地は一度宅地にしてしまうと、元に戻すのが非常に難しいと言われています。

農地は住宅地に新鮮な野菜を提供するという役割があるため、畑などを宅地にする際は、農業委員会に農地法に基づく届出や許可が必要になるくらいです。

それが農業委員会の存在する建前です。もし簡単に畑に戻せるならば農業委員会の許可など本来は不要になります。

地目が「畑」になったくらいでたいした違いはないかと思いきや、司法書士の間ではこの登記上の「畑」というものは非常に注意すべきポイントです。

なぜかというと、地目が「畑」の場合、土地の所有権が移転する要件として、農業委員会の許可が必要になります。

登記手続き上も、農業委員会が許可した旨の記載がある農地法の許可証を提供しなければなりません。

この許可証すぐに発行してもらえる類のものではありません。非常に困った事態ということです。

法務局に連絡した結果、この一件は単なる誤りだったということが分かりました。

以下のような登記簿になり「錯誤」ということで落ち着きました。

法務局の方もお疲れだったのでしょうか。

時々びっくりする登記簿に出くわすことがあります。

この一件は事前に確認できたので救いはありましたが、もし決済の朝一に判明したとすると大変な一件でした。場合によっては決済を流さないといけないと判断する必要がある一件でした。

以上、「分筆して宅地から畑への地目変更!?驚いた不動産登記簿の一件」でした。

お読みいただきありがとうございました。

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