皆さんこんにちは!司法書士の関良太です。
本ページでは、登記識別情報通知いわゆる権利証を紛失してしまった場合について記事にします。
Q.登記識別情報通知、権利証をなくしてしまいました。どうすれば良いですか?
A. 権利の保全上、一定のリスクがあるため登記識別情報の失効申出などの対策をすることをおすすめいたします。
大前提として現在日本の不動産の「権利証」として流通している書類は大きく分けて2種類あります。
「登記済証」と呼ばれるものと、「登記識別情報通知」と呼ばれるものです。
これらの「登記済証」、「登記知己別情報通知」はいずれも再発行できない書類です。
これらの「権利証」を紛失しただけでは、権利者としての地位がなくなったり、勝手に第三者に権利が移転させたりすることはできません。
しかし、これら権利証を紛失した場合、権利の保全上は一定のリスクが発生します。
具体的には「登記識別情報通知」または「登記済証」、「印鑑証明書」「実印」この3点が第三者にわたってしまうと勝手に権利移転の登記を入れられてしまうリスクがあります。
それでは、登記識別情報通知または登記済証を紛失してしまった場合、どうすれば良いでしょうか。
①登記識別情報の失効申出を行う(登記識別情報通知の場合)
登記識別情報通知の場合、法務局に失効の申出をすることで、その登記識別情報を使うことができなくすることができます。
なおこの方法は、発行されているのが登記識別情報通知である場合に限られます。
登記済証の場合については、失効の申出はできませんのでご注意ください。
また、失効の申出をしたのちに登記識別情報通知が必要な登記手続きが発生した場合は、代替手段(資格者代理人による本人確認情報、事前通知、公証人による本人確認)があります。
登記識別情報通知を紛失され、ご不安な場合は、下記の無料相談ボタンよりご連絡ください。
不動産売却の際に登記識別情報を紛失してしまったと、ご相談をいただいたため、ご相談内容から可能性のある場所をお伝えしたところ見つかった事例がございます。
②不正登記防止申出を行う(登記識別情報通知、登記済証の両方の場合)
不正登記防止申出は、この申出から3か月以内に申出にかかる登記の申請がなされた場合に申出をしたものにその旨の通知がなされる制度です。
あくまで通知がなされる制度でありただちに申請が却下されるものではありません。
また登記官に不正な登記であると疑いがかけられた際には、申請人に申請の権限があるか本人確認の調査が行われます。
この制度は3か月という期限が定まっているため、紛失してしまい第三者に登記が入れられてしまう可能性が見込まれる場合に効果を発揮する制度と言えます。
総括としては単に権利証を盗まれたからといってただちに登記上の問題が生じるわけではありません。
しかし権利の保全上リスクがあることは間違いありません。
所有権の移転登記をする場合には実印と印鑑証明書も必要となりますので、極力これらはセットでは保管しないことをお勧めいたします。
登記識別情報通知、登記済証などについて詳しいお話を知りたい場合は、下記の無料相談ボタン、またはお問い合わせフォーム、各種SNSよりご連絡ください。
以上、「【権利証を無くしてしまいました】登記識別情報通知の紛失について【権利はどうなる?登記はできる?】」でした。
お読みいただきありがとうございました。