皆さんこんにちは！司法書士の関良太です。
私はあしかけ６年司法書士業界に身を置いております。
３つの司法書士事務所として個人事務所、中規模法人、大手事務所のいずれも決済事務所の勤務経験があります。
どの事務所も良い面悪い面がかならずあるのですが、ここで私の経験から事務所選びに参考になる情報をご提供したいと思います。
①個人事務所の場合
私は補助者だった頃、個人の決済事務所で働いておりました。
個人事務所で働く場合、良くも悪くも人間関係次第になります。
数名規模の場合、毎日同じ人と顔を合わせてお仕事をすることとなるため、良好な人間関係が築ければ最高の職場になりますが、職場の人間関係が悪いと非常につらいものになります。
また任される仕事は非常に多種に及ぶ傾向にあり、私の場合は災害時に備えてビル内で食べられる備蓄食料の買い出しに行ったり、吸収合併で発生する論点について一日中調べてみたり、本を頼りに古い戸籍を読みこんでみたりと多種多様な業務に携わる経験をさせていただきました。
総括としては近い将来独立したいとお考えの方や、小さなコミュニティでやっていきたいとお考えの方は個人事務所が良いと思います。
②大手事務所の場合
大手事務所の場合、業務としては分業になりがちな傾向にあります。
私がかつて勤めた事務所では、役割や行える業務の内容が決まっておりました。
また各担当者の仕事の範囲が明確なことが多いです。
有資格者と補助者でも役割は異なるほか、補助者の中でもひたすら外で書類を集めている方がいる中で、ベテランでひたすら所内で書類を作成する担当の方や、もっぱらマネジメントを行っている人など組織化されている傾向にあります。
扱う業務は事務所によって毛色がことなりますが、部門ごとに業務を専門特化していることが多く、相続専門の方や商業登記がメインの方など扱う業務も特化する傾向にあります。
ジョブローテーションを導入している事務所もあるかと思われますが、組織としては専門部署を作った方がマネジメントしやすいですので、私の知り合いの司法書士の方のお話では完全に独立していて、ほかの部署が何をしているのか知らないという方もいらっしゃいました。
扱う業務も大型法人だけあってその分野の中でも珍しいパターンを経験することもできます。
また福利厚生も個人事務所と比較して、しっかりしていることが多い傾向にあります。
総括として、職人として特定の分野を極めたい方、安定してサラリーマンとして働きたい方は向いていると言えます。
③中規模事務所の場合
中規模事務所の場合は、個人事務所と大手の事務所の良い面悪い面を折衷したタイプの事務所でした。
完全に組織化できているわけではないものの、ある程度役割は分かれている、といった状態です。
この形態の事務所は大きなポテンシャルを秘めた規模です。代表が野心的な方であれば大規模化を目指すため、タイミングによっては事務所の役員や後継者になれる可能性のある大きさだと思います。
現に私がその事務所に勤めていた際に、補助者から合格された方がおり将来を有望視され、どんどん仕事をまかされていました。結局その方はすぐに独立されたので事務所には残ってはいませんでしたが、当時を振り返ってかなり鍛えられたとおっしゃっておりました。
個人事務所ほど密な人間関係は難しいが、ある程度専門的に業務に取り組みたいという方や事務所の方向性を理解した上で、組織を大きくしたい野心をお持ちの方はチャンスが多いと思われます。
④結局どこがいいのか？
３つの司法書士事務所を経験してわかったことですが、以上に記載した事務所の類型はあくまで一般論にすぎない、ということです。
結局のところ人と人ですので、どのような人が働いているかが最重要だと思います。
これは司法書士に限らずどの職場でもあてはまるので、改まって書くほどのことでもないかもしれません。
ただ司法書士事務所の場合、代表のカラーが如実にでる傾向にあると思います。
私の経験で手前味噌ですが、司法書士として就職活動をしていた際にとある司法書士事務所の代表の方と面接をする機会を頂戴しました。
その代表の方の話しぶりや職員の方への対応から、なんとなく「あまり社員を大事にしていなさそうだな」という印象を受けたので、後日その事務所で働いている方に詳しくお話をうかがうと、なかなか黒いうわさが絶えない事務所でした。
私はその事務所は落されてしまったので、たいそうなことは言えませんが、代表の方のお人柄に少しでも違和感があれば、よくよく調べてみた方がいいと思います。（実はこれが一番伝えたかったことです。）
司法書士業界に就職を検討されているすべての方の参考になることを祈ります。
以上、「【司法書士の就職先選びはどこがよい？】個人事務所、中規模法人、大手事務所の３つの事務所の勤務経験からどの事務所が良いか検討」でした。
お読みいただきありがとうございました。
