司法書士合格体験記~独学受験生の場合~

皆さんこんにちは!司法書士の関良太です。

暖かくなってくると、司法書士試験が間近に迫ってくるのを思い出し独特の緊張感に包まれる感覚がします。

かくいう私は令和3年の合格者で受験回数は計3回でした。

全期間独学で勉強しました。

令和元年は午前午後択一とも基準点に届かず不合格。

令和2年は午前の方は基準点を超えたものの、午後は基準点に届かず不合格。

令和3年は何とか合格となりました。

予備校などを活用されている場合、合格体験記などが置かれており合格者がどのような方法で勉強していたかなどが詳しく書かれております。

しかし予備校が提供する合格体験記は、予備校を利用してもらう人を増やすためのものですので、独学での合格体験記は予備校が用意するほど充実していないのではないでしょうか。

本ページでは、独学で勉強した3年を振り返る内容の記事を作成することで、僭越ながら現在独学で勉強している人の参考になればという思いで記事にします。

1年目(令和元年)の受験

1年目は何をどうすれば合格できるのかよくわからない状態でした。

予備校に通う選択も考えましたが、高額な受講料に尻込みしてしまいどうすれば良いか考えあぐねておりました。

本屋に立ち寄り司法書士試験がどんなものなのか見てみた結果、完全独学は非常に難しそうだという結論となりました。

ただお金がなかったので、司法書士試験を目指していたが諦めた人を見つけてきて講座のDVDを譲ってもらいました。(DVDの譲渡の可否については特に指定がありませんでした。)

改正の論点についても追うため、書籍については新しいものをそろえました。

1年目は都内の司法書士事務所にてフルタイムで働いていたため、休みの日にまとめて講座を見るという方法をとりました。

結局完全に1周見終わったのが春ぐらいで、過去問も本格的には解いていなかったため、試験当日は手も足もでませんでした。

落ちて当然だったため、あまりショックはありませんでした。

平日は3時間くらいDVDを見て、休日は8時間くらいDVDを見る。

問題演習はスキマ時間に、といった具合でした。

記述については全く勉強ができず、当然落ちました。

午前午後とも択一の基準点にとどきませんでした。

合格できなかった理由はDVDを見ることに注力しすぎて、問題演習やテキストを読み込むなど能動的な学習になっていなかったためだったろうと思います。

2年目(令和2年)の受験

2年目は1年目の反省を活かしDVDを見つつ、問題演習も並行して行いました。

DVDでの学習は極力わからない論点を整理したい時に抑えて、わかっているところについてはスキップするなどしておりました。

またフルタイムでの合格は厳しいと感じておりましたので、司法書士事務所を変えてアルバイトとして働きました。

平日の勉強時間は5時間程度、休日は10時間勉強しました。

DVDを見ている時間が2割くらいで、問題演習が8割くらいになりました。

特にテキストなどについては文章を読み込み、法律の制度趣旨や考え方を身に着けるよう意識して勉強しました。

また記述については、不動産登記商業登記とも1時間ずつで解くのが標準と聞いておりましたので、通勤時間の1時間を記述問題の時間と決めて学習しました。

試験前日にホテルを借り、試験に臨みました。

この年はコロナの影響で、試験日程が秋口にずれこみ受験期間が短い受験生にはチャンスの年だと思っておりました。

試験後、予備校が主催する解答速報まで時間があったためホテルで休憩。

疲れていたため仮眠をとって解答速報を聞きに予備校に行きました。

結果として午前は30点近く取れたものの、午後が基準点に届かず落ちてしまいました。

本気で頑張ったつもりでしたので非常に悔しかったです。

特に午後の試験が基準点に届かず、記述の採点をしてもらえず今までの勉強が正しかったのかわからなかったのが悔やまれました。

3年目(令和3年)の受験

最後の年はDVDを全く見ませんでした。すべての時間を問題演習にあて、問題を解いてわからなかったときはテキストに戻って確認。

それでもわからなかったときはYahoo!知恵袋を使いました。

分からないことを質問できる環境にないことが、独学受験生の一番の難しさかもしれません。

しかしながら試験会場には教えてくれる人はいないので、自分の頭で考えるトレーニングにはなっていたと思います。

特に私の合格した令和3年は不動産登記法が例年より難しい傾向にあったようで、テキストに書かれている基本的事項から類推して答えを導くという方法で答えを出さざるを得ない設問が多数ありました。

結果として午前32点、午後が27点、記述が足切りギリギリといった形で合格となりました。

私は合格戦略として、択一で逃げ切りたいと思っておりました。

午前30点以上、午後30点以上、記述は足切りにかからないようにする、という方法です。

結論としては午後が心許ない結果で正直落ちたかもしれないと思っておりましたので、試験翌日から勉強は再開しており、合格発表までは普段通り勉強しておりました。

振り返るに令和3年度で合格できていなかったら、私は一生受かっていなかっただろうなと思っております。

というのも過去問演習を回しすぎて問題をさっと見ただけで〇×が分かる状態になってしまったので、問題文をよくよく検討する頭の状態にならなくなってしまったためです。

この状態は新しい問題を解く場合には危険な状態です。

よく問題文を読まずに正誤判定をしてしまうので、なぜその文章が正しいのか間違っているのか答えられないため一生受かりません。

ですので令和3年度に合格できて本当に運が良かったです。

おそらく私の人生で一番努力して、一番報われた期間だったように思います。

夏になったら司法書士試験。すべての受験生が悔いの残らない試験になるようお祈りいたします。

以上、「司法書士合格体験記~独学受験生の場合~」でした。

お読みいただきありがとうございました。

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